01大手メーカーWebサイトの現状
1. 大きく二極化
弊社が大手メーカーのWebサイト案件の携った傾向からすると、
サイト管理方法は大きく二つあるようです。
一つはサイト丸ごと一元管理するものです。
この場合の所管は、本社広報部、マーケティング部、広告宣伝部、総務部、また経営企画室などもありますが、
ここで所管した部署が、傘下の部署の要望や意見を反映しながらも、
サイト全体を所管して一元的に制作するものです。
もう一つは本社の上記部門で一定の主導権や統制を保ちながらも、
傘下の事業部、部門、研究所、工場等へ一定の裁量や権限委譲をし、各部門として個別に制作することを許諾するものです。
2. 本社一元管理のケース
この場合、中央集権体制で事業部・各部門まで、所管の当該部署が一元制作するため、モノづくり製造業として、そのスピリットやアイデンティティを、枝葉末節まで揺るぎなく徹底させることができます。
企業としての企業ブランドや製品ブランドについて、またCIをベースにして、これらが一切ブレることなく首尾一貫した主張やトーンアンドマナーを保つことが可能となります。
ただ一方で、各部門の意見は集約するものの、傘下の部門主催ではないため、どうしても総花的になってしまい、
製品のコアな特徴や、技術・エンジニアリングの専門性は限定的になりがちです。
そのためターゲットのBtoBユーザーには、情報の物足らなさ、信頼性・信用度などまでにも影響してしまいがちです。
3. 事業部・部署で管理委譲するケース
本社一元管理とは異なり、各事業部、各部門のナマの主張がダイレクトに反映できる、言い方を替えると専門職やエンジニアの声を直接訴えれることが、BtoBユーザーにとって非常に刺さるものです。
それはBtoB取引の場合、事業部・部門担当者とターゲットユーザーとがエンジニア同士、専門職同士ということも珍しくなく、その場合、共通言語や専門用語でシンパシーを持つこととなります。
特に大企業メーカーの場合、一つの事業部で数千億円の売上規模を持つことも珍しくなく、
独立した一企業レベル。場合によっては事業部が中堅大手企業ほどの規模にもなるほどです。
このようなことから、むしろ企業サイトの枠組み内で、サイトレギュレーションさえ徹底させれば、部門主導で制作することはその合理性は高いと言えます。
特に独創性や差別性が高い製品を開発・生産している場合、
BtoB取引においては高いパフォーマンスを発揮できると考えられます。
そのような場合でも、弊社は企業のアイデンティティやブランドイメージを損なうことなく、
事業部・部門サイトづくりを安心してお任せいただけます。
02事業部制・部門・開発研究所でオーダーするWeb
1. やはり大手製造業こそマーケティング策
云うに及ばないことですが、
ニッポンのモノづくり大企業と言えども、その看板・ブランドだけでは新たなビジネスの創造はできない時代になりました。
むしろ昨今では、原料、素材、加工製品の基礎研究や製品開発、生産設備や技術まで含め、日本を代表する製造業だからこそ、新たなマーケットを築く創造性、マネタライズさせる潜在需要の発掘等、持続可能な企業成長を画策するマインドは、非常に強いものです。
このようなことから、前項でも言及した本社一元管理でサイトを制作・管理するより、
傘下の事業部・部署に制作や運用を、企業サイトの枠組み内で委譲することが、合理性が高いと言えます。
実はターゲットとする潜在ユーザー、つまりリード獲得のためのマーケティング運用は非常にきめ細かな対策やケアが求められます。
2. 潜在ユーザーを想定し共感を与える
このマーケットに潜在するリードを獲得するゲートウェイは、
まず何といっても、ターゲットとする潜在ユーザーが強く関心を持つ、共感を得る情報・データ、コンテンツづくり、つまり“器”となるサイトづくり。
特に原料・素材製品、加工品などを求めるターゲットはその製品を活用すれば、
自社の製品がより高品質な完成品になる、
部品として導入すれば大きな省力化・軽量化ができる....
など、高度な専門性や技術リテラシーが必要で、想定ターゲットを明確に設定することが大変重要で、その上で、コンテンツづくりをすることが必要でしょう。
またコンテンツの根底には、大企業としてのブランド矜持は欠くことができず、
単にエンジアリングのファクトだけ淡々と発信すればいいものではありません。
大事なことは、企業ブランドやプロダクトブランドの価値を表現できる情報や記事は、スペシャルなレベルで備えたいものです。
3. リード獲得のための要件
良質な“器”ができたら、次はリード獲得のためのマーケティング策です。
まずは検索エンジンの評価を受けなければなりませんので、想定する検索クエリでのSEO対策にて、
潜在ユーザーにリーチしやすくします。
ここで重要なのが、前項のサイトコンテンツ制作時点で、SEO対策を見定めた情報・データ、記事内容としておく必要があります。
そうすることでSEO効果を一層発揮させることを可能とします。
そこからリードとして確保するホワイトペーパー 、資料請求、メルマガ登録等の提供、
MA管理やリードナーチャリング....等。
そしてそれらの結果を検証するアクセス解析や効果測定からチェック・アクションと、
結構きめ細かいケアが重要です。
やはり事業部や部門で制作し、運用や管理まで権限委譲するというのが、冒頭の成果を求めるミッションからすると理にかなっています。
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03レギュレーションを遵守するWebづくり
弊社では事業部や部門のWebオーダーについて、制作にあたって遵守する様々な条件を、事前に確認し制作にあたります。概ね以下の要件について、コーポレートサイトの制作基準・運用条件を管理統括する知財管理やシステム部門との調整を行います。
1. CI・企業ブランディング
大企業の場合、特にCIのレギュレーション遵守は非常にセンシティブな要件です。
企業ロゴマークのアイソレーション(ロゴの周囲を埋める余白)、カラー要素(RGB・インデックスカラー)のチェック、
さらに社名書体、タグラインなどのVI要件など、必要に応じてCIマニュアルの閲覧を要請します。
製品ブランドについても同様、ブランドマーク、ブランドロゴ、ブランドメッセージ等、使用基準を遵守します。
2. サーバー環境
運用サーバーによっては外部へのエントリー権限を制限していることが多く、その場合、制作環境はプレサーバーを立てて行います。
またPHP、JavaScript等のプログラム使用、WordPress、MT等のCMS環境の構築基準を事前に解決しておき、その環境によっては使用できないシステムやプログラムがあるため、サイト構築の要件に含め事前に解決しておきます。
この場合、プレサイトと本番環境が異なるため、本番化の際は想定される様々な要件をシステム部門と協議し、最適な手法によりリリースを行います。
3. UI設計・コーディング
UI(インターフェース)設計基準、テキストサイズ、h属性基準、テキストサイズ・フォント、その他UIに関する各種条件を定義しておきます。
HTMLやCSSの基準バージョン、構造化データ、OGP設定等マークアップの基準に従い、構築してまいります。
4. トーンアンドマナー
特にコピーやライティングの語彙、ボキャブラリー、また製品仕様などを説明する場合の表現など、トーンアンドマナーは重視します。
社内にその基準がある場合は、基準に沿うことに含め、サイト内他の事業部サイトの傾向や企業風土も捉え、
さらに様々なデザイン・レイアウトの標準化は積極的に取り入れていきます。
04大手製造業の事業部サイト制作事例
弊社で制作にあたった、大手製造業の事業部・部門サイトをご紹介します。
1. 三菱マテリアル株式会社 銅加工事業部 様
三菱マテリアル株式会社様|銅加工事業部サイトTOP【東証一部上場】
銅加工はじめ、電子材料、金属加工、セメント、アルミ事業などを手がける「総合素材メーカー」。その一事業部となる「銅加工事業部」様の事業部サイトを弊社にて制作。
やはり何と言っても素材メーカーとして、細分化された製品群の多さ、また素材製品の技術情報や分析データを余すところなく掲載し、その専門性を強くし、BtoBユーザーへの訴求力を高めている。
オフィシャルサイトとはUIやブランドレギュレーションで統一仕様をとっており、オフィシャル傘下の運用ではあるものの、独自ドメインを採用している。
2. ヤマサ醤油株式会社 医薬・化成品事業部 様
ヤマサ醤油株式会社様|医薬・化成品事業部サイトTOP【非上場】
千葉県銚子市に本社・工場が所在する同社。非上場だが、醸造メーカー大手として、醤油・味噌などの一般消費者向け製品で知名度や実績ある企業。「医薬・化成品事業部」はその研究・開発部門としてBtoBトレードを狙うもので、同社傘下の専門サイトとして弊社にて制作。
そのサイトの構成は、発酵・醸造の基礎研究から生まれた各種の化成品、原薬素材を合成構造式や高度な専門情報で網羅。特に海外での発酵食品ブームから、外国企業とのBtoBトレードも視野に英語版の拡充も図った。
創業60年以上に及ぶリーディングカンパニーとしてパイロットスケールから商業生産まで、あらゆる段階からの受託製造を後押しする専門サイトを実現。
量販・コンビニ、消費者向けオフィシャルサイトとはUI設計をあえて変え、BtoB専門サイトとしてのプレゼンスを高めた。
3. 三井化学株式会社 機能性ポリマー事業部 様
三井化学株式会社様|機能性ポリマー事業部サイトTOP【東証一部上場】
同社機能性ポリマー事業部の開発新製品、透明樹脂「APEL™」特設サイト。車載やヘッドマウントディスプレイといった、光学機器・化学製品などのメーカー開発設計担当者へのリーチを視野に入れ、同素材を専門的に紹介するプロダクト専門サイト。ブランドネームとなっている「APEL™」特設サイトであることから、同社オフィシャルサイトとはUI設計、デザイン性を大きく変え、ゆとりのあるワイドビューなUIとしている。全10ページ程度のサイトボリュームですが、1品の素材製品としては、その潜在する可能性を様々な切り口でサジェストし、BtoBユーザーとのセッションを画策する。
ちなみに「APEL™」のブランドロゴの制作、資料請求や営業パーソン使用の製品カタログにも弊社が携わり、プロダクトブランドのメディア戦略を支えている。
4. 江崎グリコ株式会社 広報部 様
江崎グリコ株式会社様|コーポレートサイト・企業情報TOP【東証一部上場】
大手食品メーカー江崎グリコ様のコーポレートサイト企業情報カテゴリー実績です。このカテゴリーは広報部の受け持ち。その用途は投資家、株主、金融関係者等への情報発信。ところが「おいしさと健康」を企業理念とした同社の独創性溢れる製品開発や基礎研究が、同社の大きな特徴。これを活かし、このカテゴリーにある研究開発情報を厚くしてBtoB用途にも活かせることを目指した。
特に基礎研究と製品開発に強くフォーカス、研究内容の紹介、開発・研究者のインタビューも交えた情報構成とした。
また新卒採用向けにも、就活生の企業理解を深くする狙いで、100周年を迎えようとする創業からの変遷や製品誕生ヒストリ―などを、時系列に写真を交えビジュアル化し、刷り込み効果を狙った。
事業部・研究所・支社でWeb制作が決まったら、まずはご相談ください。オンライン相談室も開設。
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