01製品情報の付加価値と差別化
製造業の場合、サイト上の製品情報の充実は言わずもがなですが、実は検討ユーザー、リード(見込み客)の心理として、情報はいくら大量にあってもいいと言うものです。意外と思われるかもしれませんが、高額な製品を投資しようとする企業であれば尚さら、その志向は強いと言えます。
弊社でも直接顧客からそのような声を聞いたことは、特に少ないことではありません。
むしろ良質で熱心なユーザー、一方で慎重なユーザーも驚くほど隅々まで目を通してくれています。
笑い話にもなりませんが、コンテンツを作った本人が忘れていたことが、商談の中で相手方から指摘されることがあり、思わずその場で知った被りと冷や汗...、などと言ったこともあります。
従って、社外秘、知財以外は上質ユーザー、上級ユーザーとコミュニケーションを深く交わす、というスタンスで、ユーザーに有益で独自性の高い製品の情報・蘊蓄を惜しむことなく徹底的に語ってください。
そのことはユーザーに好感を持たれるだけでなく、Google検索エンジンにも評価される要因になります。
では以下「開発コンセプト・製品開発の情報」「導入事例・顧客の声」「製品情報」「データ・エビデンス」「社員の声」の順にその要点を解説していきます。
1. 開発コンセプト・製品開発の情報
メーカーたる所以の最たる情報です。
自社開発の優れた製品を持ちながら、意外と産みのエピソードを語らない企業が多いように思えます。実はこの情報は、プロダクトブランドや企業ブランディングにも直結するもので、非常に価値あるコンテンツとして、ユーザーへの訴求度は非常に高いものと考えます。
開発者に登場いただき、開発に至った経緯、その思想、ものづくりへの努力・情熱、等への言及、またインタビュー形式で思いの丈を語る、というのもユーザーの心情に巧みに刺さっていきます。
別の角度から見て、対ユーザーだけでなく、副次効果として社員教育、採用活動での就活生・求職者への企業理解促進にも大いに効果を発揮します。
これはぜひつくっておきたい必須情報と捉えてください。
2. 導入事例・顧客の声
この導入事例、顧客の声も検討ユーザーには大変ありがたい、重要なコンテンツです。
導入事例は可能であれば、実社名を上げて紹介できることが最も説得力がありますが、得てしてメーカーの場合、ケースによっては秘匿性の高い技術を持つ生産現場だったり、公表できても企業名や生産施設を特定できることはNGだったりで、非公開、もしくは匿名ということはやむを得ないことです。
しかしながらユーザーにとっては有益性のプライオリティの高い情報です。A社様、C社様の表現ではその信憑性に限界は残ります。
可能な限り導入顧客には協力してもらい、表現方法に知恵を働かし、うまく取り入れる努力をしてほしいものです。
少々ゲリラ的ですが、秘匿情報も個別公開の場合に限り可能となることもあります。
その場合はサイト上で資料請求、導入事例請求をしてもらい、情報提供することにトライしてみることをお勧めします。ただしその際、使用は請求本人限定、情報の二次利用を制限することで使用許諾することを条件にするなどが必要でしょう。
3. 製品情報ページ
製造業のホームページとしては、最もエネルギーを費やすコンテンツです。
言うなればWeb製品カタログとも言えるもので、製品名・型番、製品画像、仕様・諸元、CAD図、製品特徴等が主な掲載事項になり、オーダーや見込み客づくりに直接影響を及ぼす情報だけに、その情報構成やUI(ユーザー・インターフェース)設計にはひときわ注力すべきです。
またアイテム数やカテゴリー数が多数にのぼる場合、事前のカテゴライズや仕訳には最注力する必要があります。なぜならばWebカタログの最大のミッションとして、検索性の高さ、つまり検索ユーザビリティの良さ、ユーザーがストレスなく、ほしい製品情報にスピーディに行き着く、という導線設計がとても重要な要素となります。
以上は製品ファクトと検索という機能設定です。実はここにはブランドイメージや情緒的な付加価値は存在しません。
製品情報に魂を吹き込む要素
前述の通り、ファクト情報だけではそこに他社との差別性、強みは表現できません。
ここに製品ブランディングのスピリットを伝えること、例えば前述した製品開発情報、開発者の声などは大変有効です。また製品の動画を配置し、リアルな視聴により、スピーディに理解を促し、Web上での擬似体験の効果を与えることを可能とします。
また製品ごとに詳細情報を掲載したPDFデータをダウンロードできる仕組みを設定しておけば、特に珍しいことではありませんが、検討途上のユーザーは大変重宝します。
さらに長期検討ユーザーには、メルマガ登録で新製品情報、仕様変更情報、展示会等のイベント情報を発信でき、直接・間接に製品情報に付加価値をつけます。
4. データやエビデンス
次にいわゆる製品を巡る技術情報やマーケティングデータです。
実際に行われた試験データや第三者機関の検査データ等の開示、また競合他社製品とのベンチマーク情報・機能比較(比較広告は不可)、また導入によるコストパフォーマンス、コストダウン等、標準的なコスト効果の数値化もユーザーにとって大変有用性の高いものです。
5. 自社を語る社員の声
様々なユーザーやサイト閲覧者が企業を評価する指針の一つとして、社員の声や座談会でのフリートークやインタビューがその内容です。
メーカーの企業ホームページが裃を付けた公式情報の中で、社員を通じてフランクに企業の素顔が見え、取引を検討しているユーザーには、この社員の声が媒体審査の評価事項の一つになる可能性を秘めています。
生産部門、工務部門、研究開発部門、営業部門、また間接業務となる広報・マーケティング、総務・人事、経営企画などの参加も企業全体を網羅的な視点で打ち出すことができます。
前出の顧客の声も客観的な企業評価の要素になりますが、いずれも社内外の”人”を軸としたコンテンツとして、実は本質がそこにあるのかもしれません。
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02効果的なコンテンツの運用と多様化
多様な製品情報の提供
動画コンテンツ
昨今サイト上での視聴を可能とした短尺に編集した動画がにわかにホットです。
サイト上では語りきれない、表現しきれないリアルな動きやプロセスを視覚で伝えることができます。
短い尺でもその特徴を表すポイントにフォーカスした動画は、情報収集しているユーザーには大変説得力を持ちます。
プロカメラマンによる撮影によりWebストリーミング版にアレンジ編集し、動画ファイルをサイト上に配置しますが、自主撮影、手作りによる動画でも場合によっては止むを得ませんが、はやり品質を一定以上担保したいものです。
製品情報のダウンロード
ダウンロード専用のPDFによる製品情報ドキュメント、またはPDF化した製品別のパンフレットを準備しておき、それを製品紹介ページに配置、もしくはダウンロード専用ページに一覧化します。
これによりユーザーに自由に、もしくはメルマガ登録の条件付きなどでダウンロードサービスを提供します。
できればユーザーのニーズに応じて細分化しておき、単品ごとの製品PDFだけでなく、総合カタログのPDFも備えておくと、ユーザーの利便性はさらに高まります。
資料請求
サイト上でユーザー情報を入力させ、製品パンフレットや総合カタログをユーザーに請求させます。組織情報やその用途まで入力要件にしておくと、リード(見込み客)へ発展する可能性を持ったユーザーへリーチする機会が広がります。そういう意味では、PDFダウンロードがユーザーの利便性寄りであることの対し、資料請求はリードへリーチする機会の創出、に寄った施策と言えます。
また前ページで言及したサイト非公開情報の導入事例を掲載した手作りの資料などを準備すると、よりスペシャル感を演出できます。
メルマガ中長期マーケティング
このメルマガは製造業の場合、非常に有効な広報・販促手段です。
月1〜2回程度の配信で、新製品情報、既存品の仕様変更情報をはじめ、セミナー開催、展示会出展、キャンペーン、イベント、プレスリリース、等、ユーザー、リードとのコミュニケーションを創出する機会です。
このメルマガをリードナーチャリング(見込み客の育成)に使う、メルマガマーケティングは製造業では特に重要です。高額な製品を持ち、新製品や製品仕様が随時で変更され、展示会出展やセミナー開催、個別商談会開催などをメルマガで配信していく。これらを繰り返しながらいずれかの機会に、実際に面談・商談の機会につなげていく、その結果リードへの進化が実現していく、というものです。
自社出展の展示会案内をメルマガで行い、自社ブースに誘導、もしくは招待し、そこで名刺交換、軽い商談を皮切りに...などといったストーリーを描いていくことを可能とします。
とは言え、高額な投資を計画しているユーザーは中長期スパンで検討していることがほとんどです。従ってリードとして常に自社との関係性を維持・発展させていく手段として、このメルマガマーケティングは大変有効です。
CMSの導入
以上の様々な有益なコンテンツ、効果的な施策を投入しても、情報が古い、更新されていない、陳腐であることは、ユーザーの期待や信頼を失墜します。
情報更新性をいかに保つか、いつもフレッシュな情報やトピック情報をリアルタイムに更新していくことが求められます。
その意味でCMS(コンテンツマネジメントシステム)をサイトに実装しておけば、情報更新・追加の必要性の都度、Web業者に依頼することなく、自社による即時の更新・追加を可能とします。
業者に依頼すると得てして作業に一定の時間を要するものです。そのタイムラグによってはチャンスロスを招くことにもなりかねません。
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