01製造業Webマーケティングの現状
1. 製造業の製品はほとんどBtoB製品
製造業で生産される製品は、製品の流通形態、製品の完成度によって大きく異なりますが、
その特性として、例外を除き、生産者からエンドユーザーに直接販売するBtoCはほとんど無いといってもいいでしょう。
例えば、加工食品、家電品、自動車など、最終完成品として市場に流通し、一般個人消費者のエンドユーザーが購入・利用する製品で、一見BtoCと思えますが、
実はそれらメーカーの直接購買対象は、量販店、商社、販売会社、卸売業者で、つまりBtoB取引となります。
また設備、資材、機器等の完成品です。例えば工場の生産・加工設備、建築資材のバス・トイレユニットなどと言えば、完成品として需要者に届けられますが、購買対象は一般個人ではなく企業です。
つまりBtoB取引。
さらに一般消費者、エンドユーザーにはほとんど目にしない、部品、素材品、二次製品、半製品です。例えば半導体で言えばチップ、絶縁薄膜、基板など言わずもがな、BtoB取引です。
つまり、製造製品のほとんどが、BtoB取引となる、というのがその定義でしょう。
2. マーケティングではニッチ製品
BtoB取引対象の製品は、そのほとんどが、一般流通市場で眼にすることはないため、人気やトレンド、バズりなどと言う個人消費者の概念が発生しません。
実はこのことが、マーケティングにおいても、その難しさがあるところです。
例えば、高品質・高性能で、業界では非常に評価の高い部品や素材品だったとしても、市場規模や知名度からして、その製品ジャンルでのGoogleの検索回数は決して多くはありません。
言い換えれば、一般の眼からはとても製品力が高い製品とは言い難い、と思ってしまうほどです。
つまりマーケティングマターでは、とてもマス領域とは言えないニッチ分野と言えます。
3. ニッチの参入障壁は意外と高くない?
徐々に多くなっているWebのEC化
市場規模やニッチなこともあり、総じて製造業界ではWebマーケティング施策導入に消極的です。
とは言え、特筆すべきは、昨今サイトリニューアルを行う企業自体が多くなっているということに加え、“新規顧客の開拓ができるサイトにしたい”という、EC化のリクエストが間違いなく多くなっていると言うことです。
では実際にコンテンツマーケティングやSEO対策、クロスメディア、リードナーチャチャリング....等、を行うとしても、獲得できる見込み客数は決して多くはなく、サイトセッション数は限定的で、一見盛り上がりに欠ける、と思われるかもしれません。
リード獲得は質で勝負!
実は左にあらずです。この製造業のBtoB取引でユーザーが求めているモノはニッチな製品です。
つまり、例え月間3件の問合せしかなくても、この問合せユーザーの傾向は、“業務上の強い必要性”での問合せです。
少なくともネットショッピングで衝動的に、という個人消費者の心理とは大きく異なります。
いわんや、高い本気度と確度の高いユーザーと言え、これがBtoB取引ユーザーの特徴と言えます。
逆にこの数少ないリードやユーザー中から、商談が決まれば、数百万円から数千万円、数十億円....という取引になることは、BtoB取引の場合、特に珍しいことではありません。
この傾向はある程度大小あれど、大企業のBtoBでさえ同じだと言えるでしょう。
躊躇されている製造業では、ぜひこの成功体験をしてもらいたいと思います。
弊社ではそのWebサイト制作からマーケティング運用まで、トータルでサポートします。
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02成功させる製造業Webマーケティングの全貌
1. まず良質且つ戦略性を持つWebサイトづくり
まず何と言っても製造業でWebマーケティングを成功させる最初の難関は、ホームとなるWebサイトです。コーポレートサイト、製品専門サイト等が対象ですが、
このWebサイトの出来・不出来、優等生か劣等生かで大きくその結果に違いが出てきます。
その本質は、
製造業Webサイトは、実は「製品のバリュー」に加え、「製造マンの情熱」をも語るフィールドです。
それによって『選ばれる企業・製品』を目指すものです。
以下サイトコンテンツのポイントを列挙します。
- 製品の強みを顕在・潜在共に徹底的に洗い出す企画・構成
- 自社を知り、競合を知り、顧客マーケットを知る、マーケティング
- 【独自性】【差別性】【専門性】【普遍性】を備えたサイトコンテンツづくり
- 製品ブランドに立脚したブランディングの概念
- メーカーとしてのアイデンティティを語る
その他にも様々ありますが、詳しくは当サイトの、その本質を徹底的に開設した関連ページをご覧ください。
2. リード獲得から商談・受注まで
ここではWebマーケティングを通じて、リードを獲得し、商談を経て受注クロージングに至るまでのプロセスを解説します。
市場から潜在するターゲットユーザーへリーチする策、いわゆるリードジェネレーションを上流工程、
キャッチアップしたリードを育成して確度を高めていくリードナーチャリングを中流工程、
それらを経て、実際の取引に向けた本格商談から最終決着のクロージングまでを下流工程、とします。
また中流〜下流域に行くと、Webマーケティング外の行動も入ってきますが、「成功させる」商談・受注までをテーマに上げているので、あえて含むこととしました。
-
- 上流工程
- リードジェネレーション|潜在するターゲットユーザーへリーチする策
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- 中流工程
- リードナーチャリング|リードを育成して確度を高める策
-
- 下流工程
- 本格商談・クロージング|実際の取引に向けた行動
上流|リードジェネレーション
Webマーケティングにおける代表的な施策として、
コンテンツマーケティング
SEO対策
Web広告、等があります。(コンテンツマーケティング、SEOは後述)
それらの施策を講じて、ターゲットユーザーはサイト訪問、Blog訪問、動画等へのアクセスを実現。
再訪問やメディア間の回遊を促進させ、そのユーザーにとって有益な情報を提供。
また一方でその間、ホワイトペーパーのダウンロードや資料請求、メルマガ登録等、水面下の様々なコンバージョンを獲得。
これらを経過すると、これを見込み客、いわゆるリードと定義し、一連のプロセスや仕掛けをリードジェネレーションと言い、緻密に戦略性をもって臨みます。
MA(マーケティング・オートメーション)はこの間のリードへ、タイムリーなメルマガを配信したり、営業パーソンへの行動アドバイスなど、次の一手をリードのトラッキングデータを基にシステマチックな運用をサポートするものです。
中流|リードナーチャリング
リードジェネレーションを経たこの時点では、コンバージョンのあり方も、ホワイトペーパー・資料請求から、製品の問合せだったり、見積依頼、軽微な商談なども含め、ようやくリードが水面下から浮上し、顔が少し見え正体のアウトラインが見えてきた時期と言え、一歩先へ進む段階です。
実はここまでで一気に商談が進むと思いきや、BtoB取引の大変さはここからも続くことがあります。
もちろんリードが納期を急いでいて、短期決着というケースもありますが、中長期にわたる未決着継続案件は珍しいことではない、と言えます。
以下Webマーケティング外ですが、リードナーチャリングの重要なアクションなのでここに含みます。
展示会の自社ブースへ招聘し、そこで初めて名刺交換、
自社開催セミナーへ招聘し、相談会で面談による課題聞き取り、
引き続きMAメルマガでタイムリーな情報発信アプローチ....等々。
やはり企業の看板を背負ったビジネスパーソンは、簡単に決着をつけません、と言うよりつけれないのです。企業のルールからして、客観的に複数の業者をあたり、導入製品の適正を審査し検証します。
特に高額であればあるほど、BtoBユーザーは慎重になるのが特徴です。
これらのことがリードナーチャリングを必要とする所以と言えます。
下流|本格商談・クロージング
さて、ここまでくるとリードも最終段階の業者選定作業に入りますが、
決着に向け業者へ正式な商談の申し入れ、本格的な業者プレゼンテーション、候補業者による導入デモンストレーション、シミュレーションテストなど、製品を提供する業者や製品の絞込みに入ります。
もちろん製品の属性や」取引額の大小、発注企業によってそのあり方は異なります。
前段でも言及した通り、この段階ではWebマーケティング以外の要件も、アクションに含めることが現実のBtoBに即していますので、あえて含めています。
さらにBtoBはここからも一定の手続きが入ります。発注企業は最終選考時点で社内手続きに入ります。
候補業者の与信、場合によって決算書や財務諸表の提出依頼、NDA締結、役員プレゼンや面談、社内的には稟議書作成....等々、その後晴れて受注!という、いささかの予断も許さない、というのがBtoB取引です。
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03製造業のSEO対策【成功の秘訣】
1. サイトのクオリティにはひとかたならぬ想いを
前項や「製造業Webサイト制作|製品の強みとブランド力を高め、BtoBを強化」でもお伝えしているので、ここではさわりだけとなりますが、製造業のWebサイトは「製品のバリュー」に加え、「製造マンの情熱」をも語るフィールドです。
つまり製品の強みや価値を顕在・潜在で語ると同時に、開発担当、生産担当、それに販売担当まで含めた製造マン、もっと言えば企業としてのスピリットや情熱を訴えます。
実はGoogleはAIの進化で独自性、専門性、普遍性を読み解き、そのアルゴリズム評価を検索順位の決定要因にしています。
ありがちなファクトだけ並べ、こんなことできます、あれつくってます、スペックはこれで、短納期対応します、のようなサイトではこの進化し続けるGoogleアルゴリズムの評価は勝ち取れません。
2. SEOは単に上位表示を狙う対策ではない
色々な手をうって、自社のサイトが目標としたキーワードで検索1位とか上位を獲得できたとしても、それで仕事がとれる(コンバージョン)というものではありません。
検索を通じてユーザーがサイトに訪れたとしても、ユーザーの要求を満たす情報がない、主力製品の情報に薄い、これではいわゆる専門用語で「直帰」=検索からサイトアクセスしても最初のページだけでサイトから去ってしまうことになります。
また製品情報の内容と検索キーワードがうまくマッチできず、狙ったターゲットユーザーを自社サイトに招き入れることができない、といったような事態を招くことは、特に珍しいことではありません。
このように検索上位を獲得できても、容易に確度の高いリードになるとは限らないのです。
3. コンバージョンは少ないのがBtoB、でも...
前項「リード獲得は質で勝負!」でも触れた通り、製品の属性によっては業界シェアが高いが、一般には知名度が無いとGoogle検索ではニッチになります。強い製品でもニッチであれば検索ボリュームは低く、検索上位になっても反響件数は限定的。
しかしながらそこにBtoB特有の現象が存在します。
つまりそこに製品単価の大きさから高額取引が見込めるユーザー、
当該製品を強く求める良質な顧客が含まれている可能性があり、
そのためにも、振り出しに戻りますが、Webサイト自体のクオリティが強く求められます。
4. 実はGoogleも良質なコンテンツを求めている?
良質なコンテンツを求めているのはユーザーだけではありません。
実はGoogleも良質なコンテンツを求めているのです。
もちろんユーザーは製品の付加価値があり、製品が良質であることが条件ですが。
とは言え、Googleは単純に良質を求めているというより、検索システム自体の質向上により、検索ユーザーへ「有益なサイト、良質なページを優先して返す」ことを使命としているのがその趣旨です。
これもこの第3章の冒頭でも言及した通り、Googleはその検索評価の基準に、サイトの記事やコンテンツの独自性、専門性、普遍性が高いことを、検索ポリシーとして正式に声明を出しています。
つまり検索利用ユーザーに対し、有益なサイトやWebページを推奨して上位に掲載させること、このことが、すなわち検索エンジンとしての最大のミッションと心得ているからに他なりません。
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04製造業のコンテンツマーケティング【成功の秘訣】
1. コンテンツマーケティングは総合戦略で
製造業コンテンツマーケティング(以下コンマケ)のみならず、コンマケの基本はコーポレートサイト、専門サイトなどのオウンドメディアを母船として、Blog・SNS・動画などのアーンドメディアをサテライト(アーンドメディア:信用や評判を獲得するメディア)としてホールディングス(HD)を形成、そこでキャッチアップしたリードをHD内で回遊、送客、また相互乗り入れで連携し、リードジェネレーションを展開、結果コンバージョンへとつなげていく。
つまりBtoB取引の製造業WebサイトとBlog・SNSなどでリードを獲得し、営業パーソンの商談へ導く総合Web戦略と言えます。
これからWebを介した新規顧客開拓を目指すメーカーには最適で、弊社で最もお薦めしているWebマーケティング戦略です。
2. ターゲットを見据えた良質情報の多元発信
では弊社が展開しているコンテンツマーケティングのスキームについて、もう少し具体的に解説してみます。
その本質は前出SEO対策と同様、Webサイトの良質なコンテンツです。
当然サテライトのBlog・SNS・動画も同様ですが、とりわけBlogのテーマ設定、記事クオリティは重要です。
言い替えると、このBlogとWebサイトの連携が最も重要です。
SNSや動画、画像発信はこれらの2メディアをへ送客する誘導路的役割を担わせます。
これらのサテライトの良質な情報発信と多頻度情報発信を交えリードの回遊を誘い、送客、連携運用をしながら、オウンドメディアのWebサイト、コーポレートサイトでコンバージョンをとる、
というのが弊社の想定する最適な展開方法です。
もちろんこれは典型例であり、固定された手法ではないため、まずは初期設定としてこのスキームでスタートし、運用後に効果検証をしながら臨機応変の策を練っていきます。
3. 製造業はニッチレベルで喰い込むSEO対策
SEOはコンマケに組み込まれたコンポーネント
このコンテンツマーケティング(以下コンマケ)は、SEO対策との相乗効果がその結果を左右する、と言っても言い過ぎではありません。
そうであれば、前出SEO対策そのものでは?との疑問も生じますが、コンマケの中でこのSEO対策もターゲットリーチに活用して、リードジェネレーションを創出する、という考え方であり、SEOはコンマケに組み込まれたコンポーネントであると弊社では考えています。
なぜSEOが有効か?
ではこのSEO対策、有効なコンポーネントとしてどう活かすのか?
まず母船となるオウンドメディアは、そのコンテンツ自体がオフィシャルな定番情報で形成されるため、SEO的には“ビッグワード”での王道を中長期にわたって狙います。
一方、Blogはそのビッグワードと他の関連するワードとの組合せ、つまり「組合せワード」「スモールワード」で検索上位を狙います。
これはBlog自体の存在が、オフィシャル定番記事には馴染まない、いわゆるダイレクトにターゲットを見据えた、お役立ち記事、専門情報、トピック、トレンド情報など、戦略的に仕掛けていく要素を強くしているからです。
実はこの組合せワード、スモールワードは検索上位を早期に実現しやすいため、特に製造業のニッチ製品を取り扱っている企業は、対策との親和性が非常に高まります。
また、動画では製品の稼働状況をYouTubeで公開しておくと、これもSEO的にGoogleは検索結果に動画サムネイルが表示され、クリックされやすくなります。
4. リードジェネレーションでは回遊がポイント
この時点までで、うまくリード獲得がかなうと、意識の高いリードをそのまま直帰させたり、少数ページの閲覧だけで離脱させては大きなチャンスロスです。
もちろん魅力的な記事が大前提ですが、
記事中に連動した情報や記事をレコメンドさせたり、
オウンドメディアの公式情報に誘導させたり、
ホワイトペーパー無料ダウンロードのバナーを設置する、
メルマガ登録を促す、
資料請求のバナー設置、
無料相談室への誘導....等々、
様々な手法を用いてユーザーをHD内で回遊させ、ダウンロードや申込み行動をとらせ、
自社からコンタクトできる状況をつくり、確度の高いリードへと成長させていくのです。
ここにリードの回遊動向をトラッキングできるMAを活用すると、一層効果的な製造業コンテンツマーケティングが展開できます。
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