2019.07.21
建設会社の場合、その事業内容や業態によってサイトコンテンツのあり方が大きく異なります。
そういう意味では建設業と一括りにする十把一絡げの考え方では、求める効果が限定的となる恐れがあります。
大手ゼネコンやその協力会社、地方の地場建設会社、住宅建築・工務店、内装専門業者、等々明らかにサイト運営の目的やWebで実現したいことは異なります。
例えば大手・中堅ゼネコンでは取引先が官公庁の公共工事、マンションや商業ビルの建築工事では施主はデベロッパー、地場建設会社ではほとんどが自治体発注の公共工事、住宅建築・工務店では民間の個人がそのターゲットです。もちろん例外もあり、工務店クラスでも独自の事業スタイルでBtoB取引もあります。
つまり建設業界の中でもBtoG、BtoB、BtoCに大きく業態やターゲットが分かれ、当然事業領域も異なるため、Webサイトのあり方も変わってきます。
ここではそれぞれの業態一つひとつの詳細には言及しませんが、弊社のエビデンスや想定できる要件を踏まえ、それぞれの業態に適したサイト構成・コンテンツのあり方に言及していきたいと思います。
またこの建設業界の特徴として、建設工法や技術力ありきのファクト情報が大勢を占め、企業の理想やプレゼンスなど、人々の感性に訴えるブランドやCIに触れる情報は、あまり多くないように思えます。
このようなことから、この建設会社のブランディングにも言及しながら、業態別やサイトに求める機能別にフォーカスして解説していきます。
公共工事関係は官公庁、大型マンション・ビルは大手デベロッパー等の民間、というように大別され、そのほとんどがBtoG、BtoBで占められます。大手は技術力や実績にて入札資格が決定されるため、ホームページからユーザーやリードにリーチし新規顧客獲得というミッションは、特殊な技術・工法を強みとする場合など以外ではそれほど重要ではありません。
むしろ上場企業ではステークホルダーへの企業価値向上、優秀な建設マン獲得のための採用コンテンツに注力する傾向です。
従ってコンテンツの枠組みは王道を行く、非常にオーソドックスな企業情報、事業内容、施工実績を中心に、充実した採用情報、上場企業はIR、CSR情報が加わりますが、ここに自社ブランドのプレゼンスをステークホルダーに発信していくことは欠くことができません。
ここで言う中堅建設会社の定義は、官公庁・自治体・公営事業の工事を元請で請け負う、或いは特殊工法・専門技術により施工能力を有する企業です。自治体・公営事業は全国に多数存在するため、優れた施工力を持っていても隅々までの知名度は限定的です。
そういう意味では、このホームページを媒介として前述のユーザーにリーチします。
前項のBtoG、BtoBのあり方とは少々異なり、ビジネスライクな新規の取引拡大となります。
市場において、十分競争力のある、差別性の高さを誇る技術や工法を主力としたコンテンツが効果的です。中でも特殊工事・専門工事の施工実績掲載は特に強みを発揮します。ある意味、ターゲットユーザーがサイト閲覧においての初期審査・評価ともなり得ますので、ここは最注力するコンテンツと言っても差し支えないと思います。
まさにここは企業ブランディングとして、価値を高めるスタンスで取り組むべきです。
一方で競合の存在も無視できません。相対的な視野で競合調査し、コンテンツ全体にわたりサイト設計の精査のみならず、検索クエリ(検索キーワード)の精査による、検索エンジン対策も周到に進めるべきです。
今や官公庁や自治体と言えども検索エンジンで対象先、業者を物色することはもはやスタンダードですので、うまく適合できるようなコンテンツづくり、ユーザーとのコミュニケーションの仕組みを作っておくことが重要です。
また新卒採用は特に工学系で大変な逆風です。もちろん中途も含め、独自性高いモデルを持つ企業ですので、情報に個性を持たせ求職者の関心を惹くことが肝要です。
大手や中堅ゼネコンの元請会社の傘下で工事現場の実務を請負う建設会社です。
そのほとんどは元請企業との取引が中心なので、継続的既存取引先とも言うべきBtoB取引でしょうか。
しかしながら新規で元請先の拡張を図る、乗り換える、などといった計画がある場合、やはり新規先の評価を得られるコンテンツ、特に施工実績は大変重要です。しかしながらこの業態の特性として、施主直接の請負ではないため、公開できない場合が多く、そこは事前に選別を要します。
さらにこの領域の建設会社で重要なコンテンツが採用情報です。
大卒、中途も視野に置きながら、そのメインは工業系の高卒生と言えます。ここの情報の肝とも言うべきは、高卒生本人のみならず、就職担当教員、本人の両親へのメッセージ性が重要です。その就職先の決定権は、まだ未成年の社会を知らない高校生本人だけでは無いはずです。
簡素な採用情報、また人材が欲しい、欲しいだけでは彼らに気持ちは届きません。
会社の理念、歴史、誇り、強みなどCIやブランディングにしっかりと触れて行くことが、父兄・教員・本人にポジティブな好意を抱かせていきます。 ここでは詳細は語りませんが、当サイトの「採用サイト制作|高卒採用」の項目をご覧ください。
地方の建設会社といっても、地場大手と言われる総合建設業は、前述のゼネコン・中堅建設会社と似通った業態と言えます。 その中で中小建設会社は、ほぼ自治体の公共工事が中心ですので、いわゆるBtoG取引となり、Gとの取引は前述の通りです。地方によっては民間のマンション、商業ビルの建築工事もあるため、やはり施工実績の掲載、事業内容と共に、地元名の検索クエリ(検索キーワード)で検索エンジンにヒットできるくらいは最低取り組んでおきたいものです。
この業態もご多聞にもれず人材難です。地元工業系の高卒生も対象となる場合、前項「協力会社」をご参照ください。
少々ラジカルに言えば、地方では人材不足による黒字倒産も珍しいことではなく、求職者へのメッセージ性を高めた採用情報の整備が急がれます。
いわゆる個人住宅の建築工事業で、この業態はそのほとんどがBtoCとなります。
従って顧客へどうリーチしていくかが鍵で、会社存続、発展の命運がかかっているとも言えます。逆にそこをよく認識されている業者が多いため、自社のホームページには他の業態には無いと言えるほど、コンテンツの充実性、検索エンジン対策を施している傾向が強いようで、中にはWeb広告の活用、SNSでの口コミ施策も見られ、他の業態と同業者とは言い難いものがあります。
ターゲットの個人としては大変高額な買い物となるため、それぞれ購入検討者はかなり慎重になり、その評価基準は最高レベルです。
競合他社との比較だけでなく、大手住宅メーカーなどは資金力から組織戦略や広告戦略を投入してくるため、検討ユーザーは安心感、安定感の中で大手を選ぶことは少なく無いと言えるでしょう。
その中において、まずは自社の特徴や強みを、競合や大手と差別化する手法で語っていきたいものです。高品質な画像による施工実績は言わずもがな、その施工や技術の提案ポイント、それを施工責任者が語る。そしてそのユーザーの喜びの声。
また優位性のある技術力とそれを支える提案力、余すところなく競合や大手との違いを語るものです。
しかしながら実績、技術、提案力のモノやファクト情報に終始するあまり、企業ブランディングやプロダクトブランド、つまりコトを忘れがちです。やはりサイトコンテンツとしてしっかり準備することで、サイトの独自性や個性を発揮し、サイトバリューを高めるし、そのスピンオフ効果としてGoogleの評価も良くなり、その評価は検索エンジン対策での集客にも活かされます。また個人集客の場合、SNSやブログを活用した「コンテンツ・マーケティング」も視野におくと、検討ユーザーへのリーチを促進できます。
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