2020.04.12
近年建設業界でもITの普及が目覚ましく、
新規顧客獲得の手段としてWebが活用されるようになりました。
しかし、ただ単にWebコンテンツを制作・運用するのではなく、
リアルマーケティングと同様に戦略的な施策が必要です。
ここでは、
建設業のWeb制作からWebマーケティングで押さえたいポイントについて解説。
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中小建設業と一言にいっても、元請の建設会社や下請け専門業者、民間工事の建築会社といったように様々な業種に分かれ、さらに細分化していくと基礎工事、重機工事、内装工事等、ここには記載しきれないほど多くの業者が存在しています。しかし、どの業種も一貫して言えることは、ビジネスがアナログからデジタルへと変化しつつあるということです。
これまで建設業では、チラシや電話といったオフライン紹介や下請けでのビジネス展開が一般的でした。しかし、同業者間の競争激化、多重下請け構造が増加している昨今、弱い立場にある中小建設業の利益はどんどん減少しており、従来のビジネス方法では苦戦を強いられています。
そのため、これまでのオフラインビジネスに加えて、新規取引先獲得のために「Web」という新しいジャンルへ参入する企業が増加。近年はWeb検索を活用して取引先を探す建設業者が増えつつあり、運用の仕方次第では無限の可能性を秘めているジャンルといえます。
これまでWebとの関りがほとんど無ければ「Webでのビジネスは難しいのではないか」と敬遠してしまいがちです。しかし、Webを活用したビジネスは今後も拡大していき、中小建設業といえどPCやスマホを利用した業務が必須になることが予想されます。とはいえ、見切り発車でWebビジネスへ参入したところで、思うような集客や効果は見込めません。
特に知名度の低い中小建設業では制作したコンテンツを閲覧してもらうチャンスが圧倒的に少なく、集客がより難航すると予想されます。ここで必要となるのが、顧客ニーズの分析やSEO対策を含む戦略的な「Web制作」と「Webマーケティング」です。実際に受注獲得につながって、経営レベルで組み込むことができれば、新規顧客の獲得だけでなく、見込み顧客の創出や育成等が効率的に実施できます。つまり、企業の成長や利益を上げるためには避けては通れない道というわけです。
Webマーケティングを実施する前に、まずは自社の取引先となるターゲットを明確にしなければなりません。なぜなら取引相手に合わせて、Web集客方法やコンテンツ内容等を変える必要があるからです。建設業での取引は基本的に「BtoC(企業対消費者間取引)」「BtoG(企業対行政間取引)」「BtoB(企業間取引)」の3つに分かれます。
まずBtoCは、一般的な消費者を相手に行うビジネスのことです。工務店や内装工事を行う建設業者が該当し、WebにおいてはSNSでの口コミ・広告といったツールを用いて競合他社との差別化を図ることに重きを置きます。
その延長線上で施工実績集、顧客の声、施工途上のワザ紹介など、動画や撮影画像などでのBlog、YouTube、InstagramなどのSNSを活用した、コンテンツマーケティングが今や大変効果的です。
中小の住宅建築、リノベーション、内装工事など、個人客をターゲットにしたBtoC取引に最適です。
BtoBは民間の不動産デベロッパーや中堅建設会社が元請けとなる案件で、中小建設業が下請けとして取引を目指す機会です。このBtoBの建設業向けのWebマーケティングについては次項で触れていきます。
そしてBtoGは、地方自治体、行政機関を取引相手としたビジネスですが、
地方建設会社のほか、中堅・中小建設会社もBtoG取引を推進している建設会社は多いですが、官公庁、地方自治体を相手に取引を行うため、Web制作においては、入札資格を獲得するための、広報機能や信用・与信機能を充実させることが求められます。
前半に登場した「Webマーケティング」とは、Webを中心に展開されるマーケティング手法のことです。Webに関する知識はもちろん必須ですが、それ以上にBtoBにおける理論を踏まえた上で施策を打ち出すことが大切です。ここで明確にしておきたいのはBtoBは法人・組織が顧客であり、以下のようにBtoCとは明らかに違う点が複数存在するという点です。
建設業においては、完成した製品・サービスだけを取引対象としているわけではありません。数多くの資材や部品の取引が行われ、中小建設業においては取引先企業からの要望に沿って業務を遂行することもあるでしょう。おのずと取引額は高額になり、Webサイトのコンテンツ制作は、よりビジネスライクさが求められます。
法人や組織では、一般消費者のように「欲しいと思ったから購入する」といった単純なフローで取引を決定するわけではありません。複数人でサービスや製品の情報を共有・検証し、自社に最適だと思ったものだけを社内決裁します。取引までのフローが多い上に、個人感情論は許されず、組織の論理、合理的な視点が必要です。
前途した通り、BtoBでは複数人で購入やサービス利用を決定することに加え、社費を投じて組織に導入するものだからこそ検討期間が中長期にわたることは一般的です。期間が長引くほどに選択肢や競合他社からのアプローチが増え、自社の見込み顧客だったとしても必ず取引成功となる保証がありません。まして認知度の低い中小建設業であれば、大手企業からのアプローチに埋もれる可能性も考えられます。
顧客との繋がりを太くするためには、相手にとって有益な情報を定期的に発信して信頼を勝ち取ることが必要です。さらに、取引成立後まで見据えた場合、企業イメージ・付加価値といったブランディング要素が重要性を帯びてきます。
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Webマーケティング戦略とは、「自社の製品・サービスを売り込む」、「新規顧客を獲得する」といった目標達成のための総合的な方策です。前述した通り、中小建設業は大手・中堅企業に埋もれやすいため、建設市場や顧客ニーズを分析した上でコンセプト・戦術等を綿密に練ることが重要です。スタートとなるWeb制作の上流から、ゴールとなるWebマーケティングの顧客獲得までを描き、そのシナリオ構築の基盤となる、顧客(Customer)・自社(Company)・競合(Competitor)の「3C」分析です。
3者の関係を明確にすることで顧客ニーズをきっちりと把握できるため、これらの枠組みを用いた上で戦略を練っていきます。
Webマーケティングにおいては、顧客について深く知ることが鍵となります。そのため、顧客が抱えていそうな悩みやベネフィット、情報の入手経路といった心理的な特性データを入念に収集。得られた情報を基に、Web制作では顧客へ深く刺さるコンテンツ・テキスト・デザイン、さらにシステム的機能を装備します。
さらにサイト制作では、競合他社との差別化が図れる自社の強み・独自性をピックアップします。見えてこない場合は、顧客への入念なヒアリングやアンケートの実施が効果的です。既に何かしらのWebコンテンツを配信しているのであれば、Google Analyticsなど各種ツールを用いて、効果のあるコンテンツ・効果のないコンテンツに振り分けるのも1つの手段です。両者を比較することで課題や自社の強み等が明確になり、実施すべき施策が見えてきます。
Webマーケティングの戦場はWebとなるため、リアルマーケットよりもサイバー競合をマークすべきです。これまでオフラインでビジネスを行ってきた中小建設業では、意識してこなかった部分であり、見逃しがちなポイントです。Webマーケティングにおいては非常に重要な工程となるため、必ず顧客の流入を狙いたいワードで検索して脅威になりうるサイバー競合のピックアップ・調査を実施してください。3~5社ほどに絞り、コンテンツ内容や広告、メルマガ、ロジックといった多方面の観点から分析します。
Webマーケティングには、当然ホームページが必須であり、大きな戦力として活躍します。特に知名度の低い中小建設業にとっては、自社が誇る実績や技術力を多くのビジネスユーザーへ発信できる絶好のチャンスです。経営にも響いてくる部分だからこそ、ホームページを現状のまま残すか、リニューアルか、新規制作かを熟考しなくてはなりません。
仮に現在運用しているホームページで進めるのであれば、BtoB向けのコンテンツ品質を保っているかという点に着目してください。BtoBでは、導入したサービスや購入した製品が組織全体に多少なりとも影響を与えます。ゆえに、BtoCよりもターゲットの審査基準がシビアであり、製品やサービスのクオリティに加えて以下のような視点からも精査されるのです。
つまり、製品・サービスをゴリ押しやウリウリにするだけのコンテンツでは残念ながら、集客が見込めません。さらに、Googleの検索エンジンは独自性・専門性・クオリティの高いコンテンツをユーザーへ届けるアルゴリズムを持ちます。BtoBユーザーと同じく、薄いコンテンツや一般的通り一遍の情報を掲載したホームページは評価が得られず、検索順位の上昇は期待できません。ターゲットはもちろん、検索エンジンに評価されるホームページであるかを念頭に置き、コンテンツ内容を検討する必要があります。
どれだけ良質で顧客に沿ったコンテンツを制作したとしても、閲覧してもらえなければ意味がありません。ここで必要となるのが、SEO対策です。SEOはご存知の通り、「検索エンジン最適化」といい、検索エンジン(GoogleやYahoo等)で自社サイトを上位表示させるために調整することを指します。
SEO対策において最も重要なのは、検索キーワードの選定です。
選定時に重要となるのは業種やサービス、動機・目的等、どのような要素を最適化するかという点です。中小建設業においては、大手・中堅と並びやすい「業種」は特に避けたいところ。大手・中堅を避け、なおかつ狙いたい顧客の流入を獲得するには業界でしか通じないニッチなキーワードを狙いましょう。ただし、ニッチキーワードで上位表示を狙うのか、大きな単独キーワードとその他の関連キーワードを組み合わせて最適化するのか?戦略立てが非常に重要です。
最適化した後はPDCAサイクル(※1)を回し、効果検証を重ねます。最低でも半年の期間が必要であり、Web参入が初めての中小建設業であれば1~2年の長期プロジェクトとして見据えておいた方が良いでしょう。
※1.「計画」「実行」「評価」「改善」の工程を繰り返し、継続的な業務改善を実施すること。
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